“シングルマザー”で“フリーランス”の“テレワーカー”である私の「はたらく」



column 2016.9.15

こんにちは! クリエイティブマムズリンク代表の大原康子です。マムズは2016年春より、そのあり方について捉えなおし「ママのはたらきかたをクリエイティブする」というスローガンを設け、新たなる活動に取り組んでいます。さまざまな状況にある私たち女性にとって、「はたらく」とは何か? この問いについて、みなさんと一緒に考え、体現していくことができたらいいなという思いがそこにはあります。

 

この思いに至るにあたっては、当然、私自身がこれまで経験してきたことも影響しています。

 

専業主婦からフリーライターとして復職する

私は、2008年に長男を出産、続けて2010年に次男、2013年に三男を出産。三人の男の子のママになりました。独身時代は、美術系出版社で編集者として働いたのち、広告代理店の営業へと転職。仕事はとても面白く、夢中になってバリバリと働いていました。
結婚し、長男を授かった時に「今度はおもいっきり子育てしてみよう!」と思い立ち、退職。約5年間、専業主婦としての日々を謳歌していました。それもまた楽しい日々ではあったのですが、三男を出産後、「またなにか仕事をしたいな」と考えるようになりました。そこで私が選択した職業は、これまでのキャリアを生かし、家事育児の両立ができる〝在宅のフリーライター”でした。

 

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フリーランスのユニット「クリエイティブマムズ」への参画

フリーライターとしてのキャリアをスタートさせ、WEBサイトを中心にさまざまな原稿を書いていく中で、偶然「クリエイティブマムズリンク」と出会いました。当初はライターとしての協力でしたが、次第に、デレクションの仕事を任されるようになりました。

 

マムズの制作デレクションは、案件に対する最適なチームを組み、全体の進捗管理、成果物のクオリティをコントロール行うことなどが主な業務です。
チームはほぼママたちによって構成されており、働き方は、時間と場所にとらわれない「テレワーク」によります。ICTを活用し、オンラインのビデオ会議や、グループウェアを使った作業内容共有や進捗管理、メ―ルやメッセンジャーによるやりとりでお互いの子育てや家庭の都合を理解し、ケアし合いながら作業を進めていきます。この働き方であれば、居住地の制約はありません。協働するママの中には海外在住方もいます。

 

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手ごたえを感じた全国のママたちとの「テレワーク」での仕事

私が、マムズで最初にデレクターとしてした仕事は「スモークフリープロジェクト」の「親子安心レストランマップ 元町エリア版」の制作でした。妊娠中のママライターや乳幼児を抱えるママデザイナーらとともに、テレワークを活用してエリアマップを完成させるというものです。ママならではの気遣いと効率のよさを武器に、チームを組んで仕事を完了させていくことができるという確かな手ごたえを感じた最初の仕事です。

 

夫の事故…… ある日突然、シングルマザーになる

 

こうして、自分のペースで順調に第二のキャリアを重ねていたある日、夫が事故で突然他界してしまいました。思いもよらないタイミングで、私は三人の子供を抱えるシングルマザーとなったのです。
この時、私が最初に考えたこと。それは「三人の息子たちをどうやって育てていくのか」ということです。

 

結論。自分で働いて食べさせる。育てる。

 

なぜならば私にはキャリアがあり、そのキャリアを柔軟に生かしながら「はたらく」を選ぶ自営型テレワーカーとしての道が目の前にあったからです。夫の事故が起こったときも、仲間の強力なサポートにより、すぐに仕事から離れ休むことができました。クリエイティブマムズリンクには、フリーランサーでありながら、チームワークをもって仕事をするという環境があるのです。
夫が他界してから1ヶ月後。私は再び、働き始めました。

 

フリーランスのシングルマザーとして「はたらく」ということ

現在も、フリーランスという立場を生かし、状況に合わせて仕事量と働く場所を調整しています。作業をする場所は自宅や共用のオフィス、カフェなどさまざまです。シングルマザーとなった今は当然、以前よりは忙しくなり、仕事に割く時間も増えてはいます。けれど、優先順位を明確にして、作業の効率化を図り、子どもたちの運動会や学芸会にも参加する時間を作ることができているのもまた事実です。

 

もう一つ、ここ最近の私たち家族にとっての大きな出来事は、生活拠点を移したことがあります。それまで住んでいた場所を離れ、子どもたちと一緒に私の実家に戻り、祖父母(私の両親)と生活を始めました。子どもたちを健やかに育てるために、祖父母の協力を得ようと思ったとき、すんなり転居を選択できたのも、場所にとらわれずに働くことのできるテレワーカーだからこそ、という部分が少なからずありました。いずれにしても、同居を受け入れてくれた祖父母には本当に感謝しています。

 

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ワーキングマザーとしての変化、周囲への感謝

このように、1年で私の立場や役割は激変しました。プライベートでは一家を支えるパパであり、子育てをするママの両方を担うようになりました。仕事ではクリエイティブマムズの代表となり、パートナーのみなさんと手を取りあって「はたらく」を作り上げていくようになりました。
それぞれに、得たもの、失ったものがありますが、私自身の中ではしっかりと前を向いて自分の人生を自分の手で切り開いていきたい、という気持ちがとても強くなりました。

 

また、この私たちのあり方を、大きな理解で支えてくれる、家族や友人たちの深い愛情に、日々とても感謝しています。多くの愛情に恵まれるという経験は、子どもたちにとって一生の糧になるものだと思います。彼らはいま、人は助け合い、支えられて生きていくのだということを体感として学ぶことができているのです。親としての私は、いつか彼らが大人になった時、その感謝を人に返していける人間になって欲しいと思っています。この思いは、もしかしたら夫婦だけでは伝えきれなかったことかもしれません。

 

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フリーランスのテレワーカーという魅力

私にとって、フリーランスのテレワーカーという立場は、今の自分にあった柔軟な働き方というだけではなく、私という人間の生き方に沿うワークスタイルだと思っています。働く場所と時間は自分で決めて、自分で責任を果たし、報酬を得る。「はたらく」を自分でデザインできるところに魅力を感じています。それは、家庭において多面的な役割を持つ私のライフスタイルにも大きな影響を与えています。

 

「はたらきかた=生き方」だと私は思っています。今は、子育てというライフイベントの中でどんな風に「はたらきかをクリエイティブ」していくのか? このことを、自身も模索している最中です。
こうした自分自身の立場と現代の社会風土を見つめながら、クリエイティブマムズリンクという場でママたち、女性たちと一緒にその人本来のニーズにあった「はたらきか」を「クリエイティブ」していきたいと、私は今、思っています。

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Creative Mom's Link.クリエイティブマムズリンク

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